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Bishopstrow College訪問

2010年05月08日 21:45:00
 筆者(石角完爾)はロンドンから急行列車で約2時間の距離にあるBishopstrow Collegeというボーディング・スクールを訪問して来た。ここの校長先生はフラン・ヘンソン(Fran Henson)といい、Warminsterという小さな小さな田舎町にある。Warminsterはイギリスの温泉別荘、温泉地と言われているバース(温泉とか風呂とかの「Bath」の英語の語源になった場所であり、ローマ軍によって開かれたイギリスのいわばローマの植民地であった。ローマ人は風呂が好きでここに温泉を掘削しローマと同じような温泉浴場を建てたことから英語の風呂とか温泉とかいう言葉が「Bath」というこの地名から発祥したのである。)からさらに電車を乗り換えて40分ほど行ったWarminsterという小さな町にある。

 Bishopstrowを訪れた時のことである。13歳の日本人の女の子が放課後の3時に特別レッスンを45分受けるので聞いていかないかということであった。わざわざ町からオペラ(声楽)の先生を呼んでいるというのである。聞いてみると、まだ13歳ながらオペラに関心があり、個人レッスンでオペラの先生に付いているという。

 また、土曜日の昼食後であったが英語のクラスを覗いてみた。ロシアのモスコーから来た男の子(といっても13歳)と同じくロシアのレニングラードから男の子(14歳)がいた。二人とも1ヶ月前にBishopstrowに来た時には片言の英語も話せなかった。いわゆる英語力ゼロの状態であったが、1ヶ月後の今日私が自己紹介をするように語りかけたところ、キチンと自分はロシアから来て、出身地はレニングラードで、ここに来て何ヶ月になる。そして卒業後はどういう大学に行きたいか、と英語で語った。しかも私がそれぞれ英語で質問をしたことに対する受け答えである。

 語学は聞く・話すが中心でなければならないのに、日本では文法を中心に教える。全く間違っている。文法などはどうでも良い。また話すのも文法的に間違いがあっても全然構わない。語学は意思の疎通である。自分で思っていることを伝え、人が英語でしゃべっていることを理解する。それが語学教育の中心であるべきであり、99%それで十分である。読み書き・文法は何年も後で教えられても十分である。赤ちゃんに文法を教えるか? 考えてもみたまえ。特に英語らしい英語を話そうとするのも間違っている。英語は世界言語であり、インド人の英語もあればフィリピン人の英語もあるし韓国人の英語もあるし、それぞれ違っていて当たり前である。またアメリカでもそうだが、テキサス人の英語は何を言っているのか分からない。それでいいのである。イントネーションやアクセントにこだわることも間違っている。とにかく意思を相手に伝えること、これが出来るように教育することが重要である。

 Bishopstrowでは、だから1ヶ月でロシアの少年が英語で自己紹介出来るようになっていたのだ。

以 上